街中のポスターやコインパーキングで見かけるコード、パッと読み取っていませんか。QRコード詐欺対策でいちばん大事なのは、有料のセキュリティアプリを急いで買い足すことではありません。まずは「読み取る前の確認」と「スマホの基本設定」だけで、お金をかけずにしっかり身を守れます。

「セキュリティソフトを買わないと防げないのでは?」と心配する方も多いのですが、やらなくて大丈夫です。手元のiPhoneやAndroidの機能だけで十分対処できますよ。

偽ステッカーを上に貼る「クイッシング」の手口

最近増えているのが、QRコードを使ったフィッシング詐欺(通称クイッシング)です。仕組みはシンプルで悪質です。

本物のポスターや案内板のQRコードの上に、犯人が用意した偽物のQRコードステッカーを上からコッソリ重ねて貼っておくんです。見た目では偽物だとほとんど区別がつきません。

読み取ると、本物そっくりの偽サイトが開きます。そこでクレジットカード情報やログインIDを入力させられたり、変なアプリをダウンロードさせられたりします。

特に注意したい場所はこんなところです。

  • コインパーキングの精算機や看板
  • 街頭のポスターやイベントのチラシ
  • 飲食店などの卓上注文用コード
  • 郵送されてきた「重要なお知らせ」の紙

野外にあるコードは、誰でも上にシールを貼れてしまうのが盲点なんですよね。

読み取った瞬間に安全か見分ける3つのチェック

コードにカメラをかざしたとき、いきなりサイトが開く設定になっていると危険です。必ず「開く前にアドレスを確認する」クセをつけましょう。

所要時間は毎回ほんの3秒です。

  1. アドレス(URL)の末尾を見る カメラを向けると、画面に「https://〜」という英数字の並び(URL)が出ますよね。ここが意味のわからない英数字の羅列だったり、不自然なドメイン(「.top」や「.xyz」など)になっていないか確かめます。

  2. シールの浮きや不自然なズレを見る 読み取る前に、指で少し触ってみてください。看板や紙に対して、そこだけ新しいシールが重ねて貼ってある感触があったら読み取るのをやめましょう。

  3. 短縮URLに気をつける 「bit.ly」などの短冊状に短くされたURLは、飛び先の本当のアドレスを隠すために使われることがあります。公的機関や公式サービスが街頭ポスターで短縮URLを使うことは滅多にありません。

もし迷ったら、検索エンジンで店舗名やサービス名を直接打ち込んで調べるほうがずっと安全です。

スマホで「自動で開かない」設定にする手順

カメラをかざしただけで勝手にブラウザが起動してWebサイトが開いてしまう設定なら、今すぐ変えておきましょう。これだけで押し間違いを防げます。作業時間は1分ほどです。

iPhoneの場合

iPhone標準のカメラアプリなら、勝手にサイトが開くことはありません。画面内に黄色い枠とボタンが出て、それを自分でタップしないと飛べない仕様になっています。

ただし、サードパーティ製の「QRコード読み取り専用アプリ」を使っている場合は、勝手に開く設定になっていることがあります。特別な理由がなければ、そういったアプリは消してiPhone標準のカメラアプリを使うのが一番安全です。読み取り中に右上へ緑の点がついてもカメラ利用の合図なので、慌てなくて大丈夫です。止め方はiPhoneにオレンジや緑の点がついたときの確認手順です。

Androidの場合

Androidも機種によりますが、標準カメラで読み取ったあとに表示される「リンクを開く」のボタンを押さない限りサイトには飛びません。

Googleレンズなどを使う場合も、画面下に表示されるアドレスを一度確認してからタップしてください。設定アプリから特別な変更をしなくても、「出てきた枠を1回見てから押す」だけで大丈夫です。

普段から安全にスマホを使うための基本設定は スマホのセキュリティ設定で今すぐ見直したいポイントと基本の手順 でも詳しく触れているので、あわせて確認しておくと安心です。

もし怪しいサイトで情報を入力してしまったら

「うっかりカード番号を入れて送信してしまった」「パスワードを打ち込んでしまった」という場合も、落ち着いて順番に対処すれば被害を最小限に抑えられます。

クレジットカード情報を入れたとき

カード会社へすぐに電話してください。裏面に書かれている電話番号で大丈夫です。「偽サイトで番号を入力してしまった」と伝えると、カードの利用停止と再発行の手続きをしてくれます。

最近はアプリ決済を使う場面も増えているので、万が一のクレカトラブルに備えて キャッシュレス決済初心者おすすめの始め方と失敗しないアプリの選び方 で利用明細の通知設定なども見直しておくと良いですね。

IDやパスワードを入れたとき

そのサービスの本物サイト(ブラウザのブックマークや公式アプリ)にアクセスし、今すぐパスワードを変更してください。もし他のサービスでも同じパスワードを使い回しているなら、そちらも一緒に変えておきましょう。

データを消されたりスマホ自体が壊されたりするわけではないので、焦ってあちこち触らず、入力を許してしまった情報(カード・パスワード)の変更に集中してくださいね。

街中では「指で触って、アドレスを見る」

わざわざ高いセキュリティソフトを買わなくても、次の2点だけ覚えておけば大丈夫です。

  • 街中のQRコードは、上からシールが貼られていないか指で確認する
  • カメラに出たアドレスの文字をひと目見てからタップする

これだけで大半の被害は未然に防げます。怪しいなと思ったら読まない、検索して調べる、これを徹底していきましょう。