停電が起きたとき、連絡や情報収集の命綱になるのがスマホです。停電時にスマホのバッテリーを長持ちさせる設定として、まず最初にやるべき操作は省電力モードのオン、画面の明るさ変更、画面消灯時間の短縮の3つです。余計な設定に迷う前に、この3手だけ先に済ませてしまいましょう。

これをやるだけで、何も対策しない状態と比べて電池の持ちが倍以上変わることもあります。データや写真が消えるような設定ではないので、安心して操作してください。

1分で終わる!電池を長持ちさせる最初の3手

スマホの電池を最も激しく消費するのは「画面のライト」です。まずは画面周りとOSの省電力機能を一気に有効化します。所要時間は1分もかかりません。

1. 省電力モード(低電力モード)をオンにする

裏で動くアプリの通信やアニメーション表示をまとめて制限してくれる機能です。

  • iPhone: 「設定」アプリ→「バッテリー」→「低電力モード」をオン(右上の電池アイコンが黄色になります)
  • Android: 「設定」アプリ→「バッテリー」(または電池)→「バッテリーセーバー」(省電力モード)をオン

2. 画面の明るさを下げて「自動調整」をオフにする

画面を限界まで暗くします。また、暗い部屋で画面が勝手に明るくならないよう自動調整も切っておきます。

  • iPhone: 画面右上から下にスワイプ(ホームボタンがある機種は下から上にスワイプ)してコントロールセンターを出し、太陽マークのバーを下まで下げます。「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」にある「明るさの自動調整」をオフにします。
  • Android: 画面の上から下に2回スワイプしてクイック設定パネルを出し、太陽マークのバーを左端までスライドさせます。「設定」→「ディスプレイ」→「明るさの自動調節」をオフにします。

3. 画面の自動ロック(消灯)を最小(15秒〜30秒)にする

操作を止めたあと、画面がつけっぱなしになる時間を最短にします。

  • iPhone: 「設定」→「画面表示と明るさ」→「自動ロック」を「30秒」にする
  • Android: 「設定」→「ディスプレイ」→「画面消灯(休止状態)」を「15秒」または「30秒」にする

日常的な節電設定については、普段から見直せるスマホの電池がすぐ減るときに見直したい設定(iPhone・Android)も参考になりますが、非常時はまずこの3手を確実に実行してください。

電波が弱い・圏外のときは「機内モード」をうまく使う

台風や災害で近くの基地局が停電すると、スマホの電波が弱くなったり「圏外」になったりします。ここが落とし穴です。

スマホは電波が弱いと、なんとかつながろうとして送信電力を最大まで上げて電波を探し続けます。これが原因で、何も触っていないのに1〜2時間で電池がすっからかんになることがあります。

アンテナ表示が1本になったり「圏外」と表示されたら、思い切って「機内モード」をオンにしてください。

  • iPhone・Android共通: 画面の上(または右上)からスワイプして操作パネルを出し、飛行機マークをタップしてオンにします。

機内モードにすると電話やネットはつながらなくなりますが、無駄な電池消耗を完全に止められます。「30分に1回だけ機内モードを解除してLINEや気象情報が入っているか確認し、確認したらすぐ機内モードに戻す」という使い方をするだけで、バッテリーを何倍も持たせることができます。

なお、自宅のWi-Fiルーターが停電で消えているのに、スマホがずっとWi-Fiアクセスポイントを探し続けて電池を吸うこともあります。Wi-Fi機能自体も設定からオフにしておきましょう。

裏で電池を食う「位置情報」と「通知」を制限する

画面の設定が終わったら、次は裏側でコソコソ電池を消費している機能を止めます。

位置情報(GPS)を「使用中のみ」またはオフにする

GPS機能は便利ですが、常に現在地を測位していると電池を食います。

  • iPhone: 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」を開きます。全体をオフにするか、マップや防災アプリ以外を「このアプリの使用中のみ許可」に変更します。
  • Android: 「設定」→「位置情報」を開き、「位置情報を使用」をオフにするか、アプリごとの権限を見直します。

※災害時に自分の居場所を共有する必要がある場合は、一時的にオンに戻せば大丈夫です。

不要なアプリの通知を一時的に止める

ポキポキと通知が届いて画面が点灯するたびに、電池が削られていきます。ニュースアプリやSNSの緊急性の低い通知は切っておきましょう。「設定」の「通知」メニューからアプリごとに変更できます。

ただし、自治体からの防災メールや緊急速報まで届かなくなると困るので、重要なアプリの通知は残しておいてください。もし「災害時に緊急速報が鳴らなかったらどうしよう」と不安な方は、あらかじめ緊急速報やエリアメールが鳴らないスマホを今すぐ直すOS別の設定手順で受信設定を確認しておくと安心です。

やりがちだけど実は逆効果!やらなくていいこと

良かれと思ってやった操作が、実は電池を余計に使ってしまうケースがよくあります。現場で押し間違えやすいポイントでもあるので、覚えておいてください。

アプリを1つずつ上にスワイプして強制終了(タスクキル)する

使っていないアプリを画面下からスワイプして消していく操作、やってしまいがちですよね。実はこれ、やらなくていい操作です。

今のスマホは、画面から消えたアプリを自動的にスリープ状態にして電池を使わないよう賢く制御しています。逆にアプリを完全に閉じると、次に開くときにイチからデータを読み込むため、かえって大きなエネルギーを使って電池を消耗します。開いているアプリは放置で構いません。

スマホのライトを懐中電灯代わりに点けっぱなしにする

スマホの背面のLEDライトはかなり強力で、バッテリーを凄まじい勢いで消耗します。部屋全体を照らすために付けっぱなしにするのは避けてください。

どうしても明かりが必要な場合は、ポリ袋に水を入れたペットボトルをスマホのライトの上に置くと、光が拡散してランタンのように使えます。最小限の時間だけ使うのがコツです。

それでも電池が減っていくときの次の手段

省電力設定をすべてやっても、バッテリーが老朽化していると少しずつ減っていきます。無料の設定だけでは心許ない場合の現実的な選択肢も知っておきましょう。

乾電池で充電できる「乾電池式モバイルバッテリー」や「手回し充電ラジオ」が手元にあれば活用します。コンセントが使えなくても、単3電池があればスマホを数十%延命できます。もし普段から大容量のモバイルバッテリーをお持ちなら、充電コードと一緒に避難用バッグのすぐ出せる場所へ移動させておきましょう。

また、家族で避難している場合は、1台だけ電源を入れて情報収集用にし、ほかの家族のスマホは電源を切るか機内モードにして「予備バッテリー」として残しておく交代制にするのも非常に効果的です。

事前準備として何をしておくべきか気になる方は、停電が来る前に災害に備えるスマホ設定。今日10分でできる準備も一度チェックしておくと備えが万全になります。

停電時のバッテリー節約チェックリスト

最後に、いま設定できているかサッと確認するためのチェックリストです。

  • 省電力モード(低電力モード)がオンになっているか
  • 画面の明るさを限界まで下げたか(自動調整もオフ)
  • 画面の消灯時間が15秒〜30秒になっているか
  • 電波が途切れるなら「機内モード」を活用しているか
  • 使っていないWi-FiやBluetoothを切ったか

電波が届きにくい状態だと焦って何度も検索したくなりますが、画面を見ている時間そのものが一番の電池泥棒です。必要な情報をメモしたらすぐに画面を伏せ、大切な連絡手段を最後まで残しておきましょう。