「PDFの文字を一部直したい」「バラバラのファイルを1つにまとめたい」と思ったとき、画面に「有料プランの購入」や「7日間無料体験」のボタンが出てきて焦ったことはありませんか?

わざわざ高額な専用ソフトを買わなくても大丈夫です。普段使っているパソコンの標準機能や無料のブラウザを使うだけで、PDFを無料で編集して結合や分割、ちょっとした文字入れまでしっかり完了します。作業自体は1〜2分で終わるものばかりです。万が一の操作ミスに備えて、まずは元のファイルのコピーを1つ作ってから進めましょう。

最初になりがちな失敗!有料ソフトの「無料体験」は入れなくていい

PDFの編集ツールを探そうとして検索すると、一番上に出てくる有名な有料ソフトをダウンロードしがちです。しかし、クレジットカード情報の入力を求められたり、解約を忘れてお金がかかってしまったりするトラブルが後を絶ちません。

また、「ネットで検索して最初に出てきた変換サイト」に会社の機密資料や個人の住所が入った書類をいきなりアップロードするのも避けたいところです。

日常の仕事や提出物でやりたいことの9割は、わざわざ新しいソフトをインストールしなくても、今入っているブラウザ(インターネットを見るアプリ)やパソコン標準の機能だけで解決できます。買わないと何もできないわけではないので、安心してくださいね。

複数のPDFを1つにまとめる・不要なページを消す(結合と分割)

2冊のPDFを1冊に繋げたいときや、10ページあるうちの3ページ目だけを誰かに送りたいときのやり方です。WindowsとMacで少し手順が違います。

Windowsの場合(標準の印刷とWordを使う)

Windowsには、新しくツールを入れなくても「PDFとして印刷する」という便利な仕組みが入っています。不要なページを削除して新しいファイルを作る(分割する)なら、これが一番早いです。

  1. 対象のPDFファイルを右クリックして、「プログラムから開く」→「Microsoft Edge」を選びます。
  2. 画面右上にあるプリンターのマーク(または Ctrl キーを押しながら P キー)を押します。
  3. プリンターの選択画面で「Microsoft Print to PDF」を選びます。
  4. 「ページ」の項目を「すべて」から「カスタム」に変更し、残したいページ番号(例: 1-3, 5)を入力します。
  5. 一番下の「印刷」ボタンを押すと、指定したページだけが残った新しいPDFが保存されます。元のファイルはそのまま残ります。

複数のPDFを1つに繋げる(結合する)作業は、Windowsの標準の印刷だけでは足りません。パソコンにWordが入っているなら、ネットに上げずにまとめられます。

  1. 1つ目のPDFを、Wordの「開く」から選びます。「PDFから編集可能なWord文書に変換します」と出たら「OK」です。
  2. 同じやり方で2つ目のPDFもWordで開き、中身をすべてコピーして1つ目の文書の末尾に貼り付けます。
  3. 「ファイル」→「名前を付けて保存」で、種類を「PDF」にして保存します。

レイアウトが崩れることがあります。ページ順だけ変えたい個人の書類で、どうしても急ぐとき以外は、検索一番上の変換サイトに会社の書類を上げないでください。

Macの場合(プレビューアプリを使う)

Macを使っているなら、標準で入っている「プレビュー」アプリが非常に優秀です。有料ツールを買う必要が全くありません。

  1. PDFをダブルクリックして開きます(通常は自動で「プレビュー」で開きます)。
  2. 画面左上の表示ボタンを押して「サムネール」(ページの縮小一覧)を出します。
  3. 消したいページを選んで、キーボードの Delete キーを押すだけでそのページが消えます。
  4. 別のPDFからページを引っ張ってきて、サムネール一覧の中に直接ドラッグ&ドロップすれば、それだけでファイルの結合が完了します。
  5. 終わったら「ファイル」メニューから「保存」を押すだけです。コピーを作らずに Delete して保存すると、元のページは戻りません。

PDFの上に文字を書き込む・丸をつける(Edgeを使う)

「提出書類の空欄に名前と日付を打ち込みたい」「チェックボックスに丸を付けたい」というときは、Windowsに最初から入っている「Microsoft Edge」を使えば、追加のアプリなしで文字を上書きできます。

  1. PDFファイルを右クリックして、「プログラムから開く」→「Microsoft Edge」を選びます。
  2. 画面上部にメニューバーが出てきます。「テキストの追加」(「T」のようなアイコン)をクリックします。
  3. 文字を書き込みたい場所をクリックすると青い枠が出るので、そのままキーボードで名前や日付を入力します。
  4. 文字の大きさや色も、すぐ上に出る小さなメニューから変更できます。
  5. 手書きで丸をつけたいときは、メニューバーの「描画」(ペン先のようなアイコン)を選べば、マウスやタッチパネルで自由に線が引けます。
  6. 最後に、画面右上にあるフロッピーディスクの形をした「保存」アイコンを押せば完了です。

保存アイコンの隣にある「名前を付けて保存」を選んでおけば、元のファイルを書き換えずに別名で残せるので安心です。入力した文字を間違えたときは、書いた文字をクリックしてゴミ箱マークを押せばすぐに消せます。

仕事でExcelやWordを使って提出書類を作ることが多い方は、仕上げのショートカット操作を覚えておくとさらに作業が早くなります。Excelで毎日使うショートカット。まずは移動と選択から もあわせて参考にしてみてください。編集中にウィンドウが消えた・仮想デスクトップへ移っただけのときは、Windowsのショートカットで画面を戻す手順です。電源ボタンの長押しより先に、Windowsキー + D と Alt + Tab を試してください。

元からある文字を消したい・書き換えたいときの対処法

ここで多くの人がつまずくのが、「PDFに最初から印刷されている文字をドラッグして消そうとしても消えない」という問題です。

そもそもPDFというファイルは、紙に印刷した状態に近い形で固定されているため、Wordやメール文面のように直接文字を打ち替えるのが難しい仕組みになっています。

どうしても元の文字を直したいときは、次の2つの回避策を使ってみてください。

方法1:白の「しかく」で元の文字を隠して上から書く

一番お手軽なのは、消したい文字の上に白い図形を被せて見えなくし、その上から新しい文字を載せる方法です。 Edgeで「図形(四角形)」を選び、枠線と塗りつぶしの色を両方「白」にします。消したい文字の上に四角を重ねると、まるで最初から文字が無かったかのように綺麗に消えます。その上に「テキスト追加」で正しい文字を乗せれば完成です。

方法2:WordでPDFを開いて文面ごと修正する

パソコンにMicrosoft Wordが入っているなら、元の文章をガッツリ書き換えることができます。

  1. Wordを起動します。
  2. 「開く」から修正したいPDFファイルを選択します。
  3. 「PDFから編集可能なWord文書に変換します」というメッセージが出たら「OK」を押します。
  4. 少し待つと、PDFの内容が通常のWord文章として開きます。
  5. 文字を打ち替えたら、保存するときにファイル形式を「PDF」にし直して保存します。

レイアウトが少し崩れることがありますが、長い文章をまるごと直したいときはこの方法が一番楽です。

スマホだけで直したいとき

文字入れや署名だけなら、パソコンを出さなくても足ります。iPhoneでPDFに文字入れや署名をする手順です。メールやLINEの画面から直接開くとペンマークが出ないことがあるので、一度「ファイルに保存」してから開き直してください。できあがったPDFをコンビニで印刷したいのにコピー機へ送れないときは、ネットプリントで印刷できないときの直し方を見てください。

Androidは標準のファイルに同じマークアップが無いことが多いです。Googleドライブのペンか、無料のAcrobatで足ります。結合やページ削除は、画面が小さくて押し間違いやすいので、急ぐなら一度パソコンに送ってから上の手順を使ってください。

社外秘の書類を扱うときの注意点と次の手段

インターネット上で「PDF 結合 無料」などと検索して出てくるオンラインツールは、ファイルを一度海外などのサーバーに送信して処理する仕組みのものが大半です。

個人で使う一般的な書類なら問題ありませんが、会社の売上データ、顧客の個人情報、パスワードが記載された書類などは、Webサイトにアップロードしないのが鉄則です。

情報漏洩のリスクを避けるためには、先ほど紹介した「Microsoft Edgeで開いて印刷・文字入れをする」方法や、Macの「プレビュー」のように、ネットを使わずパソコンの中で処理が完結する方法を使いましょう。

もし、社内ルールで外部サイトの利用が禁じられていて、大量のPDFを日常的にページ替え・テキスト修正する必要があるなら、そのときはじめて会社に相談して有料の編集ソフト(Adobe Acrobatなど)のライセンスを用意してもらうのが正しい手順です。

完成したPDFをそのままメールで送信する予定なら、相手にしっかり届いているか不安になることもありますよね。送信トラブルに備えて Gmailにメールが届かないときに試す順番と画面の確認手順 も事前にチェックしておくと、いざというときに落ち着いて対処できます。

今日やりたかったPDFの作業は無事にできそうでしょうか。まずは焦って有料ソフトのボタンを押さず、Edgeで右クリックして開くところから試してみてくださいね。